いつまで続くかわからないブログ

いつまで続くかわかんないけど頑張ります。

レインボーアート

夜中から朝方にかけての、もう放送する番組が終わっちゃった後に仕方なしに放送してるみたいな通販番組を見るのが好きです。


昔ながらの、スタジオで一通りデモやっていかがですか?おいくらですよ!ってやつも好きだし、普通のバラエティ番組っぽい通販も好きなんだけど、一番好きなのは海外製品紹介する時に多いはちゃめちゃにハイテンションなやつ。


大体ハイテンションで説明される商品っていうのはレインボーアートとか、サッカーボールに紐がついてるやつとか、ポテトチップスの袋をもう一回閉じれるやつとか、なんかすごいミキサーとか、DIY用のリフォームも出来ちゃう工具とか。

絶対いらないし、実物ってテレビで見るほどの品質じゃないんだけど、もうむっちゃ欲しくなる。全てを投げうってでも欲しくなる魔力がある。なんでだろう。


なんつーか、あのわけのわからないくらいテンション高い説明の後ろで実際に使ってる映像が流れてるのとか、○○!××!△△!みたいなよくわからん三点推しがもうめちゃめちゃに好き。

もしかしたらあのリズムの良さがなんか心理的にこう、うまい具合に訴えかけてくるのかもしれない。しかもそのせいか知らないけど、何故か見てるこっちまでオーバーリアクションになる。


もう、汚れがアホみたいに落ちる洗剤とか見たら絶叫。テレビの向こうでアホみたいなオーバーリアクションしてる役者より全然いける。

むしろわたしを使って欲しい。全力で商品をアピールする自信あるよ。

ていうか、あの汚い油汚れが一瞬にして落ちるのとか、マジシャンかよ。サクラ使った手品しか披露できないセロなんかより断然すごい。ヤバい。


まあでも通販版好きとはいえ、わたしも大人ですから、購入には至らないわけです。

完全にあれは演出してるからね。イメージ映像みたいなもんだからね。実物がきてもがっかりするわけです。当たり前だと思うだろうけどほんとにがっかりする。

実家の押入れで眠り続けるレインボーアートの存在がそれを語ってる。


キッズステーションの王であるレインボーアート様をお迎えしたのは小学生の頃です。

祖母があまりにもレインボーアートが欲しいと駄々をこねる孫たちに買ってくれた。だけどこれがもう非常に、お世辞でも使いづらい。

物をもらった子供っていうのは(きちんと教育されていたら)、大袈裟なくらいに喜んでとりあえず使うってルーチンが、物を貰うという動作に組み込まれるわけよ。

で、わたしたち孫軍団もそういう教育を受けてきたから、祖母の期待に応えるべくはちゃめちゃにはしゃぎながらレインボーアートで絵を描くわけ。


もう祖母はドキドキしまくり。決して安いわけではないおもちゃを孫たちにプレゼントしたんだから、喜んでくれなきゃ困るわけ。

しかもこちらサイドから要求してるから尚更。

一方でわたしたちもドキドキしまくり。予想だにしないクソだった場合にどうリアクションすればいいかわからない。

意を決して最年長のわたしが、あの細長い柄のスポンジにレインボーアートのレインボーな部分を擦り付けて、紙に描いた。

そこで子供ながらにこの絵の具発色悪いなって思った。この世に存在する絵の具やクレヨンという物の中にも当たり外れがあるんだってその時悟った。

ぶっちゃけ、何もレインボーじゃない。

でもわたしはがっかりさを微塵も感じさせない100点満点の喜びを見せた。

クリスマスでも誕生日でもなんでもない時期に強請っておもちゃを買わせた孫の、底意地だった。

結局、孫の喜ぶ顔を見た祖母の顔だけレインボーだった。


水に濡れた紙の上には弱々しい虹がかかっていた。テレビで見た色を30回くらい水で薄めて漂白剤をぶっかけたようなパステルカラー。

それとは裏腹にスポンジはさっさとグレーに汚れてしまった。

そのうちにわたしたちは「テレビは嘘をついた」ということを悟った。


しかし幸いわたしたちには良心というものがあったので、祖母の家に行く時は必ずレインボーアートを持参して「いつも遊んでます」という体を装っていた。

でも家ではまったく触れなかった。だって全然レインボーじゃねえし。


最終的には、そもそもレインボーアートでわたしたちは何を描きたかったんだという哲学にまで発展した。

レインボーアートはレインボーということを死ぬほどに主張するような設計だったために、レインボー以外に価値を見出すことは難しく、そして使いづらかった。

そんな感じで、レインボーアートは早々に封印された。


てなわけで通販ではもう買わないって決めてる。でも、やっぱりあのハイテンションな説明とか聞くと、欲しくなっちゃう。特に布団とか貴金属とか。


だって、ジャパネットがよくやるような電化製品については多少の知識があるから品質がアレだってわかるんだけど、布団とかネックレスとかは完全にアウェーなわけ。

真珠の輝きとかダイヤが○○カラットとか言われても微塵もわからない。布団に至っては完全にタレントの主観でしかない。


けどやっぱ相手はプロですから、わからないけどなんかすごいって思わせてくる。

わからないけどなんかすごいし、値下げしちゃうってなるともうこれは買うしかないってとこまで来ちゃう。


タカシマヤのお姉さんがピンクパールのネックレスを手にして、上司に値下げ交渉してきます!とか言うと、こっちも「頑張って!」ってテレビに向かって言っちゃう。

程なくして「値下げした上にこれもつけちゃいます!」って戻ってくるの。

もう拍手喝采。テレビの向こうでもタレントが拍手。なんかもう、プロジェクトX見てる気分。


何が書きたいかよくわからなくなってきたけど、とりあえず通販番組がすきってことと、レインボーアートだけは買うなってことは伝えたい。以上。